この前、先輩に障がい者雇用でうちの会社に入れてよかったなって言われたんだ……
世の中には、鬼より冷たいやつもはいるもんだなぁ
なぜ障がい者枠で入社した人がずるいと言われるのか。
7つの理由と、当事者ができるずるいと言わせない対処方法をお伝えしていきます。
- 障がい者枠で働いている、働きたい人
- 一般職で働いていて現状とてもつらい障害者
- 障害のある人と一緒に仕事をしている
障害者雇用で働くのがずるいと考えているあなた。
ずるがしこく生きるのも良いのではないでしょうか。
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障害者枠がずるいと言われる理由7選
障害者雇用は、企業に合理的配慮が義務図けられており、悲しいことに内容をよく知らない同僚の人からずるいと言われるケースが多いです。
上記7つの障害者枠がずるいと言われる理由について、一つずつ解説していきます。
大企業に入りやすい
障害者枠がずるいと言われる要因の筆頭が、大企業に入れること。
健常者の場合、学歴や職歴によっては大企業への入社は狭き門と言われています。
一方で、障害者は障害があるというだけで大企業に入れてうらやましいと言われることが分かりました。
理由は、43.5人以上の従業員がいる日本の一般企業は、法定雇用率が設けられているからです。
現在その割合は2.3%となっています。
従業員が100人いる企業はそのうち、2~3人の障がい者を雇用する必要がある、ということですね。
法定雇用率ですが、民間企業では以下の表のとおりに推移しています。
自社の働く障害者の人数が、法定雇用率を下回るとペナルティが課せられます。
よって、実績にかかわらず会社の従業員に比例して障碍者の雇用が必要なため、大企業に障がい者枠で入社しやすいと言えるでしょう。
特別な配慮が受けられる
障害者枠で受けている配慮は、合理的配慮です。
健常者など周囲からは、障害者枠で果たしてどんな配慮が受けられると思われているのか不思議なところですが、特別な配慮が受けられるというのは誤解です。
障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としている。
引用:障害者差別解消法リーフレット
障害を持つ人が公平に働けるよう、面接時に必要な配慮を企業側と調整することがあります。
職場の人は合理的配慮のことを知らされていないのでずるいと感じるんだ……
良い気づき!一緒に働く人がずるいと感じさせないよう企業側の対策が重要
部署の移動など対応してくれないときは、さっさと転職するのが良いですね。
責任のある仕事をしなくてよい
障害者枠で働く人は仕事に責任がなくて羨ましいと言われる。
なぜなのでしょうか。
- ルーティンワーク中心
- 裁量権がない簡単な仕事のみ
- 軽作業が多い
障害者雇用で入社すると、上記の事例のように責任をともなう仕事が少ないです。
精神障害者の場合は、まずは社会生活になれるため文字を書くだけなど、採用時には障害に配慮して適した仕事を任せるという条件があります。
他方で、障害者であっても責任のある仕事がしたいという声も。
残業がなく定時に帰宅できる
体に負荷をかけると二次障害を引き起こす障害もあるために定時に帰宅している、ことを知らない人たちがいる。
内部障害のある人たちにとって残業は身体に負担をかけ、病気が悪化し二次障害を引き起こしかねません。
企業側の義務により、必然的に残業が少なくなるか、もしくはなくなり定時退社できるよう配慮されています。
『口コミ』内部障害1等級 / 30代男性
内部障害のわたしは定時帰宅でも、ドッと疲労が押し寄せ、健常者では想像もできない疲れに襲われる。
内部障害者は外見から判断しにくいので、周りの同僚も知らずにずるいと感じてしまうのでしょう。
最近は、残業なしで仕事をこなす人が優秀だと評価されるけどね!
上司が帰るまで居残る、昭和の風土はなくなりつつあるんだね……いいことだ
自由に休んでいる
社内で定期的な通院のために休むなど、障がい者に必要な配慮が伝わっていない。
障害者は自由に休めて【「いいね」などと言われたり、裏で噂されているのではと不安に感じているのではないでしょうか。
【口コミ】内部障害 / 30代男性
突然体調が悪くなることもあり、その日の朝に体調不良のため欠勤する場合も、心では休みたくないのに、体調的に休まざるを得ない。
周りから見たら、自由に休んでいるように見えますが、結局のところ余暇のための休暇ではなく、自身の体調面での休暇のため、有給休暇を有効的に利用しているとはいえずずるいと言うよりもむしろ辛い。
引用:独自インタビュー
インタビューをきいていて私もくるしくなりました、本当に障がい者は自由に休んでいると思いますか?
精神や内部障害者は、通院が必要な場合が多いことから予め休むことを伝えた上で入社しています。
一緒に働く人の意見では、通院、体調に支障が出やすく有給休暇の頻度が多いことが、頻繁に休んでいるように見えてしまうとのこと。
【口コミ】心臓障害1等級
通院については有給を使って行くケースがほとんどのため、有給休暇をある意味損していてむしろ一般社員は有給休暇を好きなように使えてずるいとさえ感じる当事者もいます。
引用:独自インタビュー
しかし、基本的に通院については有給休暇を使っている場合が多く、健常者は通院を必要としていないところから鑑みると、障害者はむしろ通院で有給休暇を消化してしまうため損をしています。
どっちがずるいんだって話だよな
コミュニケーション不足から障害者がやむを得ず休むことが、余暇の休日と勘違いを引き起こしている。
ミスを攻められない
障害者は責任のある仕事を任されないし、ミスしても怒られないからずるいのでしょうか。
たしかに障害者枠で働いている多くの人は簡単な軽作業やデスクワークが主たる業務になっており、特段責任が大きくなくミスをしてもやさしく慰められることも。
周りからすれば責任の少ない仕事や、簡単な仕事をしているだけで、お金を貰っていてずるいと捉えられることもあります。
ミスをしておこられないのは逆に不安ね
そうだね、叱られている人をみると気にかけられていてうらやましいと思うことはある
障害者だから……、ではなく、その人を想うのであれば成長するにはどうすればよいかを考えるのが職場の責務ではないかと考えます。
障害年金を併用できる
給料以外に障害年金がもらえてずるいと言われる。
障害基礎年金は障がい者枠で働いた給料に追加で受け取ることが可能です。
障害等級 | 金額 |
---|---|
1級 | 972,250 円 (月額 81,020 円) |
2級 | 777,800 円 (月額 64,816 円) |
ですが、障害がある人の全員が受給できるわけではなく、障害基礎年金で定めている症状の基準をクリアする必要があります。
例えば、視覚と聴覚障害の筆者は、視覚障害にのみ年金があてられています。
視覚障害にかかる費用は、定期診断の医療費と交通費、音声ソフトや拡大読書器などの補助具など。
年金がでない聴覚障害では定期診断費に加え、仕事に支障が出ないよう50万円の補聴器を定期的に購入しています。
障害年金は、障がい者が生活していくうえでの補助費用なのでずるいといわれるのは見当違いでしょう。
以上、障がい者枠がずるいと言われる7つの理由を紹介しました。
障害者枠で働いていることがずるいという人には、当サイトの文章を突き付けてやってください!
理由 | 解説 | 実情 |
---|---|---|
大企業に入りやすい | 障害者雇用助成金の対象人数がかなり厳しいため従業員数が多いほど入りやすい | 一般職と比べ大企業に就職しやすいのは事実 |
特別な配慮が受けられる | 合理的配慮が法で定められており、公平に働けるよう配慮されている | 配慮が必要な理由を周りの社員は知らないためずるいと言われる |
責任のある仕事をしなくてよい | 障害者枠で用意している仕事に単純作業が多い | 良し悪しは置いといて、障害者枠では、責任がない仕事がたくさん用意されているのは事実 |
残業がなく定時に帰宅できる | 合理的配慮の一環で障害に応じた対応が必要なため | 相手の事情をしろうとしない、知らせていない双方に原因があるがよく聞く事例 |
自由に休んでいる | 治療や検査に伴う通院や体調不良が理由 | 同上 |
ミスを攻められない | 障害者だから……と弱者扱い | ホワイト企業に多いが、配慮しすぎて注意が必要な時もかばってしまう |
障害年金を併用できる | 障害の症状の基準により受け取れる人・受け取れない人がいる | お金に関しては人間性がでるので噂になりやすい |
勘違い撲滅!そもそも障害者雇用や障害者枠とは?
障害者雇用、障害者枠とは国が定めた法定雇用率に合わせて、企業が募集をしている障害者のための採用枠のことを言います。
平成30年から令和3年の、民間企業の障がい者雇用実績の推移をみると右肩上がりで上がっており、令和3年は実雇用率が2.2%となっています。
また、障害者を雇用すると、企業は国からも一定額の助成金が貰え、その額はおよそ50万円から120万円程度と言われています。
ただし、障害者枠で企業に採用されるためには障害者手帳が必須であり、国からもこの人は障害者ですと認定されていなければなりません。
良いところ
- 会社の障害に対する設備や配慮
- 上司との面談などのケア
- 税金の控除が受けられる
悪いところ
- 求人数が少ない
- 定型業務からの仕事が多い
一般採用と障がい者採用の1年間の定着率の差をご覧ください。
雇用形態 | 入社1年後の離職率 |
---|---|
一般雇用(障がい非開示) | 69.2% |
一般雇用(障がい開示) | 50.1% |
障がい者雇用 | 29.6% |
障がい者枠を利用せず通常コースで就職した人が、1年以内に7割の人が退社していることが分かります。
障害者雇用は、企業側も障害者本人がイチ社会人として、規則正しく生活できることを前提として、毎日しっかりと働ける人を採用したいという意向があるので定着率が高いのでしょう。
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体験者が語る、障害者雇用をずるいと言わせない対策3選
ずるいというのは特別扱いをされていると思うから感じるものであり、障害者雇用では特別扱いではなく、合理的配慮を受けていると捉えましょう。
合理的配慮は受けるべくして受けている配慮だということを周りに知ってもらう必要があります。
それでは、障がい者雇用をずるいと言わせない対策について、一つずつ伝授していきます。
関係する社員全員に出来ないことを共有
企業は人事部の面接官と所属部署の上司だけが障害のことを知っており、一緒に働く同僚たちは当事者のことを何も知らないことが多々あります。
上司以外の人が当事者のことを知らない状況は、周りが障害者本人の事情を把握しておらず、早く帰宅していてずるいとか、よく休んでいてずるいなどと思われてしまう事態を引き起こします。
周りからずるいと言われないために、そして自身も気持ちよく仕事ができるように、直属の上司から同じ部署やグループの社員に障害のことや配慮されている点を共有してもらいましょう。
肝臓機能障害で残業なしにしてもらったり、通院で休ませてもらうことを同じ部署の人に伝えてもらっていた
良い会社だね、ずるいと思われることはなさそう!
- 心臓に障害:月に一度の通院時は、待ち時間を含め丸一日休みが必要
- 車椅子:出社が難しいために、他の社員より多めにリモートワークの許可
周囲に自分の必要な配慮事項を共有することで、ずるいという目ではなく、他の人より体力が劣るから早く帰宅しているのだなとか、通院で休んでいるんだななどと周りも納得してくれますよ。
評価基準として達成する目標が一般職と同じになっていないか上司と調整
障害者枠の業務として単純作業ではなく、周りの同僚と同じ業務をこなしているときは上司に人事評価の確認をしましょう。
障害者雇用は、一般職とは異なる別軸の評価軸と給与水準が設けられています。
例えば、総合的に多様な仕事をこなし、出張や転勤などもあるような仕事をしているのであれば健常者の社員と同等の給与で妥当ですが、健常者の社員より簡単な仕事をしているのに同じ給与水準だと周りから不満が出ることも考えられるからです。
同じグループの人に、わたしは簡単な仕事しかしてないのに、自分と同じだけ給与をもらってると思われてるのかなぁ
同じ部署やグループにいるために、仕事の内容や給料を勝手に想像されてしまい、障害者雇用の実態を知らない健常者社員に誤解されます。
一方で、一般社員と同程度の業務をこなせるなら、自分ができる範囲の仕事について明確にして、上司へ申し出よう
ただし入社の段階で障害者雇用で雇用されていると、就業規定自体が障害者雇用のものを割り当てられているために一般社員と同じことをしていても給与水準は障害者雇用の範囲内に収められてしまい、給与が低くなる。
ただし企業によっては一度ある一定の条件で入社してしまうと雇用形態などを変更できないことが常なので、企業の就業規則や採用ルールなどを内定時に確認しておきましょう。
困ったときの相談先を確保
障害者雇用でずるいと言われるなど、困ったことを相談できる場所の確保が大切です。
- 直属の上司
- 採用時に研修などでお世話になった人事部の社員
- 会社のコンプライアンス部門
- 産業医と面談
転職エージェントを利用していれば、キャリアカウンセラーが温かく相談にのってくれます。
障害者雇用については合理的配慮、つまり必要かつ妥当な配慮を受けているのであり、特別扱いをされているわけでも、楽をさせてもらっているわけでもないということを周知することが重要です。
残業しないから、周りに楽な仕事ばかりしていると思われて能力が低いとかやる気がないのかなどハラスメントされてるのよ
妥当だと思う人に相談を持ちかけて、不快な思いをしないように対策してもらいな
そもそも目が見えにくい、聞こえにくい、歩けない、腕や手に力が入らない、疲れやすいなど多様なハンディキャップがある以上、健常者と同等に仕事をこなすというのは難しい面もあります。
健常者と同等に仕事をこなせないのは、他でもない障害者であるわれわれが一番気にしていることで本当なら自身も一般社員のように健康でなんのハンディもなく活躍したいと思っている人がほとんど。
また障害者雇用で雇用された場合、給与が一般社員と比べて低いため、本当なら自分ももっと稼ぎたいし、もっと評価されたいと感じている人も多いでしょう。
もしずるいと言われたりしたら健常者の方がずるいよと言ってもいいでしょう。
たしかに配慮がない分働く時間も仕事の責任も障害者枠で入社したい社員より重い部分もありますが、その分こなした分だけ結果を残した分だけ評価されるという点でずるいなと感じます。
障害者枠で採用されると配慮されてる分、忖度されているのではないかとか少し甘めに評価されたりして正当に見られていないのではないかと心配になることもあります。
その点、健常者にはそういったことがありません。
忖度も色眼鏡もないことも疑いなく正当に評価されていることがどれだけ恵まれているのか、羨ましいなと言っても問題ないですよ笑
引用:独自インタビュー
不当な扱いを受けたらすぐに、上記相談先に連絡しましょう。
障害者雇用はデメリットしかないと言われる訳と対処法を体系的に知りたいあなたは下記の記事をご覧ください。
まとめ
障害者枠、障害者雇用はずるいと言われがちではありますが、必要な配慮を受けているに過ぎません。
たしかに障害者本人の事情を知り得ない周囲からすれば、ずるく見えてしまうかもしれませんが、それは誤解なのです。
ずるいと思われる原因には障害者雇用の実態や障害者の苦労が理解されていないというところが一番の原因です。
周囲にしっかりと自身の事情を伝えて、気持ちよく仕事しましょう。
かなわなければ、転職するとすっきりしますよ!
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